仕事と給料が見合わないんですけど!と思ったときに見て欲しい【報酬とモチベーションの話】

  • 2019年9月27日
  • 2019年9月26日
  • コラム

みなさんはご自分の給料に満足していますか?

 

少ない!もっとたくさん欲しい!という方がほとんどかと思います。

ただちょっと待ってください。

あなたの給料は本当に少ないですか?それは、あなたの実力に見合わない、ということですか?

 

行動経済学者のダンアリエリー氏が報酬とモチベーションについてインドで実験を行いました。

結論を言うと、仕事に対する報酬(社会的報酬含む)が大きすぎるとモチベーションやパフォーマンスが落ちるという結果になりました。

先ほどの質問に不満だ、と答えた方は仕事とモチベーションについて少し考えてみると良いかもしれません。

 

過度な報酬は逆効果~インドで行われた実験が証明~

 

実験1報酬後払い

被験者にあるゲームをしてもらい、そのゲームの成績によって現金で報酬がもらえるという実験が行われました。

被験者は、ゲームをやる前に受け取る報酬額を振ったサイコロの目で決められます。

▶サイコロの目による報酬差

  • 1~2・・少額(1日分の賃金に相当)
  • 3~4・・中額(2週間分の賃金に相当)
  • 5~6・・高額(半年分の賃金に相当)

 

けっこうな金額のようですが、インドの一日の生活費が低いため実現できた実験のようです。

ちなみにゲームはパズルのような記憶力や集中力・創造力が必要なものを中心に行われました。

さて、この条件下でゲームをした時に結果は報酬額の多寡に左右されたのでしょうか。

 

結論から言うと、少額と中額の間では成績にそれぼど開きはなく、高額になると成績が落ちました。

つまり、今行っている内容と報酬がおおきく乖離していると人間は緊張しや焦りがでて本来の力が出せないようです。

 

また他の実験では、単純なゲームのときは報酬が高額なほど成績が良かったそうです。

単純なゲームというのは、マウスをクリックする回数が多いほど報酬が高くなる、といったものです。

あまりにも簡単なミッションだと緊張も焦りもないのでこの結論にもうなづけます。

実験2報酬前払い

もう一つの実験は上記の実験と基本的に方法は同じですが、ひとつだけ違うのは報酬が前払いということです。

サイコロの目に従って報酬額を先に手にし、ゲームを失敗すると没収される仕組みです。

この仕組みには損失回避という心理要素が組み込まれていて、人間は手に入れた時の喜びよりも失う時の痛みの方が強いという考えです。

当然、最初の実験より報酬が高額になるほど失敗率が高まったと予想されます。

 

しかし、この実験の意外な結果は、先に報酬を支払うとゲームに失敗してもお金を持って逃げてしまう被験者が出てしまい、

途中で実験は中止になりました。

確かに、持ち逃げの危険性を考えると実験の中止はやむを得なかったかもしれませんが、個人的には結論を知りたかったです。

しかし、実験を続けたら前払い制で高額報酬の方が失敗確率が高かったのは予想に難くないでしょう。

 

報酬と人間心理

適正な報酬で生きていこう

先の実験結果から得られる教訓は、

仕事に対する報酬は自分の身の丈に合った程度が良い

ということではないでしょうか。

もちろん、報酬(給料)は多いほど良いかもしれません。

※年収と幸福度の相関関係は年収600~700万円で頭打ちという研究結果もあります。(参考文献:「ファスト&スロー」ダニエル・カーネマン

しかし、あまりにも高い報酬をもらったり、望んだりすることは逆にパフォーマンスを落としてしまうことになるので、

実力を高めることに集中することが重要なのではないでしょうか。

 

高めた実力よりも報酬が少ないと感じれば堂々と高い報酬を要求し、

報酬の大きさのプレッシャーに押しつぶされることなく気持ちよく仕事ができることでしょう。

 

また、社会的な報酬の大きさでもパフォーマンスが低下する、という実験結果もあります。

社会的な報酬とは「他人からの期待」と言い換えても良いでしょう。

自分の実力以上の仕事にとりかかったときに他人から「あなたならできる!」と太鼓判を押されると、

まったく実力が発揮できなくなり、できることもできなくなってしまうのです。

 

過度な期待や報酬はむしろ逆効果になりえます。

やっぱり自分の実力を高めることに注力しないといけませんね。

報酬を第一に考えてしまう人は自分を顧みることが結果的に自分の報酬を高めることになりそうです。

 

逆に、報酬や周りからの期待が低い方がモチベーションが上がるのかというと、もちろんそんなことはありません(参考

大事なのはバランスなのでしょう。

 

賞与は折りこみ済みでやる気には関係ない

報酬という意味合いでまっさきに想像するのは賞与ではないでしょうか。

賞与をモチベーションに仕事を頑張っている方もいることでしょう。

しかし、ある実験によると賞与は仕事する上で頑張る要因にならないという結果もでています。

つまり、仕事をする際に、賞与は折りこみ済みということなのです。

「もらって当たり前」ということですね。

 

業績に連動した賞与なら頑張ろうという気も起るかもしれませんが、

特に事務系は業績と関係がない場合が多いため賞与によってモチベーションが高まることは少ないでしょう。

特に、年末の賞与時期は報酬をどのように使うかを考える傾向にあり仕事の集中力を欠いてしまうそうです。

おもしろいですね。

 

適正な報酬を実力に見合った分受け取り、それ以上を望むなら日々努力し実力を高めることで報酬も高める。

そこにモチベーションと幸福を求めてみてははいかがでしょうか?


参考図書:「不合理だからうまくいく」ダン・アリエリー


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