【数字の魔力】アンカリング効果から人間の意思決定を学ぶ【人間は数字によって暗示をかけられる】

  • 2019年9月24日
  • 2019年9月24日
  • コラム

みなさん、こんにちはケンケンです。

 

突然ですが、みなさんに質問です。

皇帝ペンギンの平均寿命は35年以上ですか?

直感でお答えください。

 

出した答えは何年でしたか?

正解は約20年なのですが、もっと長く答えた方が多いのではないでしょうか。

もし、長めに答えた方はアンカリング効果に左右された可能性が高いです。

このアンカリング効果は心理学の領域であり、人間の意思決定に大きく関わっているとされています。

 

今回は、アンカリング効果についてお話しします。

もちろん、仕事をする上での意思決定にも影響があるのでビジネススキルのひとつとして知っておくと良いかもしれません。

 

アンカリング効果とは

アンカリング効果を一言で定義すると以下のようになります。

▶アンカリング効果

人間は最初に認識した特定の数字や特徴に引きずられてしまい、それに従って意思決定する傾向のこと

冒頭で質問したぺんぎんの寿命は、あまり興味のない人にとっては答えが思い浮かびません。

そこで、文章の中にあった35年という数字に引っ張られて本来の答えより大きい数字を回答する傾向にあるのです。

数字にとらわれて離れられなくなる。この現象がアンカー(錨)と名付けられた語源のようです。

 

科学的実験による結論

ここでいくつかアンカリング効果を実証するために行われた実験を紹介します。

平均気温の話

ドイツの心理学者トーマス・スマワイラー氏による実験で、

被験者を2つのグループに分けてある質問をしました。

 

ひとつ目のグループには、「ドイツの平均気温は20度より高いでしょうか?」

二つ目のグループには、「ドイツの平均気温は5度より高いでしょうか?」

その後、両グループに単語をいくつか一瞬見せて覚えている単語を答えてもらったところ、

20度以上と聞かれたグループは、「太陽」や「海岸」など夏を連想する単語を思い出し、

5度以上と聞かれたグループは、「霜」や「スキー」など冬を連想する単語を思い出したそうです。

 

これは、まさに高い気温と低い気温が事前にアンカーとして打ちこまれ、

それに一致する単語を無意識に選択している証拠になるでしょう。

つまり、バイアスがかかった状態で物事を判断しているということですね。

不動産仲介業者の話

実務の世界でも興味深い実験が行われています。

ある実験では、本物の不動産事業者に住宅の価格を見積もってもらいました。

この住宅は実際に存在する物件なのですが、価格についてのみ変えた資料を作り、

半数には高く提示した資料を、半数には低く提示した資料を見せました。

 

すると、彼らが見積もった価格はこの提示価格に大いに左右されてしまったのです。

つまり、プロの業者でもアンカリング効果が実証されたということです。

これは、プロの意見でも決して鵜呑みにしてはいけないという教訓ではないでしょうか。

スーパーの話 数量制限の効果

あるスーパーでセールを行った際に「おひとり様12個まで」という張り紙をつけた時と

おひとり様何個でもどうぞ」という張り紙をつけた時の売れた個数を調べたところ、

おひとり様12個まで」の時は平均7個購入され、制限なしの時と比べて倍の結果となったそうです。

 

これは、12個という数字がアンカーになり、それに近い個数を購入したという結論になる訳ですね。

おもしろいですね。

 

アンカリング効果を日々の仕事や勉強に役立たせる

アンカリング効果を仕事や勉強に役立たせることはできるのでしょうか。

いくつか考えてみました。

このプロジェクトは100%成功する!は危険なバイアス

プロジェクトを成功に導くために、メンバーを鼓舞するためにあまりにも大きい数字を目標にすると逆効果になりそうです。

  • 100%成功する
  • 目標売上1億円(通常1,000万くらい)
  • 採用人数前年比5倍

などと、目標を大きく掲げるとその目標がアンカーとなり次元が高くなりすぎて、意識してストレスになったり、

達成するために無茶をすることになったりしそうです。

 

目標をかかげるときは控えめな数字を設定することが重要になりそうです。

交渉相手にはアンカーを提示してしまう

交渉する際の手段として、アンカーになる数字を先に提示してしまう、というのはありそうです。

不動産事業者の話であった通り、プロであってもアンカリング効果が認められています。

例え相手がプロであってもこちら側から強気に数字を提示してしまうと、

その数字を元に有利に交渉を進められる可能性がある訳です。

 

業務上交渉が必要で苦手意識がある方は、とりあえず数字を示してから交渉に臨むと良いかもしれませんね。

 

結論ありきの勉強はバイアスの温床

アンカリング効果は勉強にも影響がありそうですね。

とかく人間は自分にあまい点をつけたがる生き物で、勉強するときの目標設定なども例外ではないでしょう。

 

年初めに、一年の目標を立てたは良いけどいっこうに達成したことがない、という人も多いと思います。

そんな時は自分で設定した数値のアンカリング効果に縛られてしまっているかもしれませんね。

 

「3か月後にTOICEで700点とる」なんかは典型的なアンカーでしょう。

この数字に縛られてしまって、達成できそうになくなると早々に退散してしまうのです。

 

この場合の対処法として良いのは、下手に数字で目標を立てずに習慣に落とし込むことが大事です。

勉強をするなら、期間や点数を数値で目標を立てるのではなく、

「帰宅したら勉強机に座る」や「電車に載ったらテキストを読む」など

習慣づけることができたら長続きする傾向にあります。

これは、科学的に実証されているので参考になると思います。

 

相手が自分に不利になりそうなアンカーを提示してきたら

まずは、その交渉自体を打ち切りましょう。

アンカリングは強力な磁石のようなもので、一度意識するとなかなか抜けられないという要素を持っています。

 

なので、これは明らかに自分が不利だと意識したら、まず時間を置くことをおススメします。

とにかく、その場で答えを出さないことです。

 

例えば、上司との評価面談で、あなたの昇給額は1万円です。

と告げられたとき、すでにアンカーが打ち込まれています。

これが、妥当な数字かどうかはもはや関係なく、この1万円という数字をもとに交渉が進むわけです。

すると、たとえ自分が3万円の昇給資格があると考えていても、1万円というアンカーの元、

まぁこんなものかと考えやすくなってしまいます。

なので、少しでもひっかかるようだったらその場で交渉したり決断することはせず必ず一呼吸置きましょう

 

アンカリング効果から導き出される教訓

アンカリング効果から得られる教訓は、ストーリーが重要で数字が真実か否かは重要ではない、ということです。

つまり、なんとなくでもつじつまが合う数字を見せられると人間はその数字の真偽に関係なく

意思決定をしてしまうのです。

何かを決める時は、いったん冷静になり今見ているもの、特に数字は本当に意味のあるもので

じっくり考慮したのかを自問自答するべきでしょう。

何らかの数値を指摘されたらアンカリング効果が発生する可能性が高いということを覚えておくことが重要ですね。

 

まとめ

いかがでしたか。

人間知らないうちにいろいろなものに縛られているものなんですね。

アンカリング効果は、詐欺師や借金癖のある人の手法にみられるものに近いと思っています。

彼らは、まず、相手に大きな金額を提示し、相手が難色を示したら金額を小さくする、

すると相手は金額が小さくなったから交渉しても良いかなと思ってしまい、

騙されたりお金を貸したしてしまうのではないでしょうか。

 

僕個人、今回学んだのは、あせって何かを決定するのは良くない、

特に数字を根拠にするときはエビデンスをしっかり確認することが重要!ということです。

 

ねぇ、100万貸してよ!

 

えー!100万は無理だよ(汗)
そしたら10万でいいよ!
10万ならまぁいいか
 ̄ー ̄)ニヤリ

 

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