みなさん、こんにちはケンケンです。
今回は、マニュアルの作り方をご紹介していきます。
仕事をする際に何かとマニュアルもしくは、手順書という形で書類を作る機会があると思います。
けっこう手間がかかるのでやる気が起きないことってありませんか。
僕もそうです。
しかも、せっかく作ったマニュアルも周囲の反応が
- 読んだがよく分からないと言われる
- そもそも読んでもくれない
という経験をされた方はいませんか?
つらいですよね。 でも、これって実は作成者本人の問題なんです。
僕自身も上記のような反応がしばしばあり、マニュアルを作るのが苦痛でしたが、
これは自分自身の問題なんだ、と思うようになってからマニュアル作成にあまり苦痛を感じなくなりました。
結論を言うと
独りよがりのマニュアルは読んでくれないし、読まれても理解してくれません。
つまり、自分視点にならず客観的な視点で資料を作れるかが勝負になるのです。
この記事では、
できるだけ客観的に且つわかりやすいマニュアルを作成する方法
をご紹介します。
良いマニュアル(手順書)ってどういうものだと思いますか?
僕は、
いつ誰が見ても理解して即実行に移せるもの
だと解釈しています。
これに、当てはまらないものは良いマニュアルだと言えないので、
作らない、もしくは破棄したほうがよいでしょう。
強い言い方になってしまいましたが、何が書いてあるかよく分からない取扱説明書を読むときの苦痛は計り知れないものがありますよね。
これと同じで意味不明なマニュアルはないほうがマシです。
作るなら意味があり相手に伝わる資料を作ることを心がけましょう。
よくあるマニュアル・・・悪い例
それでは、まず巷でよくみかけるマニュアルをご紹介していきます。
悪い点が多く含まれているので解説していきますね。

上記のようなマニュアルがあるとします。
パッと見ありがちなもので、なんとなく言ってることは分かりますが、マニュアルとしてはほとんど使えません。
悪い点がたくさんあります。以下に悪い点をピックアップしてみました。
- 趣旨が不明
- 誰に向けた文書なのか判断しづらい
- イメージがつかみにくい
- 一文が長く改行が少ない
- 作成日が古い
- 個人の感想はいらない
これらを解説していきます。
■趣旨が不明
題名が「共通業務マニュアル」となっていますが、共通業務って何ですかね?
読んで字のごとく、あらゆる部署に共通するマニュアルなんでしょうが、初見では何を言いたいのか題名から読み取れません。
人は、出だしで躓くと次のステップに行くのに非常にストレスを感じる生き物です。
なので、題名は重要です。それだけで、読んでくれるか否か決まってくると言っても過言ではありません。
それと、文章の始まりからいきなり精算の説明文になっていますが、これも良くありません。
趣旨が分からないからです。
これから、何を説明するのか、どうしてこのマニュアルが必要なのかを最初に明記しておきましょう。
■誰に向けた文書なのか判断しづらい
先ほども言いましたが、会社全体で使うマニュアルのようなので、全社員に向けたものなのでしょうが、読んでいる本人たちはすぐに判断できません。
ですので、誰に向けた文書なのかをきっちり明記することで、読み手の当事者意識をあおるようにしてください。
また、項目によって関わる人物や部署が異なるので、そちらも合わせて明記することをお勧めします。
■イメージがつかみにくい
全部文字なので、イメージがしづらいですね。
文字だけでなく、図や画像を盛り込んで感覚的にわかりやすくする努力をしましょう。
図や画像でまとめておくと、作った本人も後で忘れたときに思い出すときの備忘録としても使えます。
■一文が長く改行が少ない
もっと一文一文を短くしていったほうが良いでしょう。
一文が長いと字面を追っていくだけで大変で、内容がなかなか頭に入ってこないものです。
一文を短く区切ったり、箇条書きで対応していきましょう。
また、改行をもっと多くして行間をとると、すっきりして見やすくなります。
■作成日が古い
作成日が2013年になっていますね。
記事を書いているのが2019年ですから、6年前のマニュアルになります。
6年も経てばやり方が変わっていても不思議はありません。
やり方が変わったのならば改訂しなければいけませんし、変わっていないなら、時折見直して今も有効である旨を記述するのが親切でしょう。
■個人の感想はいらない
「現金の取り扱いはくれぐれも注意すること」
とありますが、そんなことは分かっていますね。
このままでは、ただの作文になってしまいます。
必要なのは、
- 適切に現金を扱うためにどうするか?
- 紛失した場合は、どうするの?
などの対応策を明記することです。
個人的な感想はいりません。
良いマニュアルの特徴
それでは、たくさん出てきた悪い例を改善して、誰が見ても分かりやすいマニュアルを作って行きましょう。
その前に良いマニュアルの条件ってなんだと思いますか?
基本悪い例の逆だと思います。
具体的には、
- 趣旨が明確で読み始めて即、内容を予想できる
- 対象者が明記されている
- 図や画像を使って視覚情報をたくさん盛り込んでいる
- ワンセンテンスを細かく区切ってできるだけシンプルな表現をしている
- 信ぴょう性が担保されていることを記述している
- 客観性を重視している
こんな感じですね。
以下で解説します。
■趣旨が明確で読み始めて即、内容を予想できる
何事も始めが肝心なので、題名や趣旨は簡単かつ伝わりやすい表現を心がけましょう。
具体的に以下のように変えてみました。
旅費精算の手順マニュアル~仮払申請から精算まで~
趣旨:近年、経費精算の手続きについて各部署で独自のルールが設けられており、統一性がなく、手順が明確化されていなかったという背景のもと当マニュアルを作成いたしました。今後は当マニュアルを手引きとしてお使いください。
■対象者が明記されている
全社員に向けのマニュアルなので、それを明記しておきましょう。
(例)当マニュアルは全社員を対象としています
■図や画像を使って視覚情報をたくさん盛り込んでいる
文字だけの情報だと、どうしても相手に伝わりづらいですね。
まず、文字の情報をイメージに変えて、そこから何をするかを考えなくてはいけないので、脳にすごい負担がかかります。
そこで図や画像で表現するととても分かりやすくなります。
場合によっては、ほとんど文字は必要なく、画像のみでほとんど伝達できるときもあります。
具体的には後程ご紹介します。
■ワンセンテンスを細かく区切ってできるだけシンプルな表現をしている
一文一文が長いとパッと見で読みたくなくなりませんか。
文は細かく分けて、段落を多く設けたり、リスト化するのがお勧めです。
■信ぴょう性が担保されていることを記述している
作成日が2013年と古かったですね。これだと今現在有効なのかはっきりしません。
これが、2019年(記事作成時2019年)でも有効なのか、もしくは、加筆修正を加えたものなのかを明記すると親切です。
具体的には、
- 2019年4月10日改訂
- 2019/4/1~2020/3/31有効
などです。
ちょくちょく見直し、マニュアルの有効性を判断し、一定の期間で断捨離するといいでしょう。
■客観性を重視している
悪い例のときに指摘した通り、個人の感想は必要ないので
とにかく客観性を重視して作りましょう。
マニュアルを作り直そう
上記で指摘した良いマニュアルの特徴を踏まえてマニュアルを作り直してみました。





どうですか?
当初のものと比べてだいぶ変わりましたね。
まだまだ改善点はあるかと思いますが、最低限このくらい作れれば、全く理解されないということはないでしょう。
ご覧になっている方のなかには、こんなに作りこまなくてはいけないのか。
と思うかもしれませんが、これは時と場合によります。
マニュアルを作成する理由の本質として、理解していない人に伝えるという役目があります。
ということは、対象者全員がある程度の理解力があればここまで作りこまなくて良いですし、そもそもすでに知っているのであれば、マニュアルは必要ありません。
マニュアルは誰にどれだけの情報を与えたいかによって作り方が変わってきますので、対象者をよく吟味し、相手がどの情報を得れば理解してくれるかを考えてからマニュアル作成にとりかかりましょう。
やみくもに取り掛かると、独りよがりの自己満足になってしまいます。
ですので、今回僕が作ったマニュアルが正解というわけではないのです。
時と場合や伝える相手によって常に方法を考えて変えていきましょう。
つまり、マニュアルを作るためのマニュアルは存在しない、ということです。
まとめ:「常に改善」が結論
マニュアルは一回作って終わりではないです。
どんなに完璧に作ったと思うマニュアルでも需要は時間とともに変化するので、改訂は常に意識しましょう。
あとマニュアルを作るときの指標として、
対象者の中で一番理解力に乏しいであろう人を想像してみましょう。
その人が、理解できたら全員理解できるのでマニュアル作成は成功した、と言ってよいのではないでしょうか。
逆に言えば、理解できない人がいたら作成者の技量が足りないと思ったほうが良いです。
どうすれば、理解してもらえるか、読んでもらえるかを考えて客観的な視点をもってマニュアル作成をしてください。
その視点を持って、良いマニュアルを作れれば、対象者みんなが初見で理解できるのだから仕事の生産性は向上するはずです。
たかがマニュアルという意識を持っていた方は、これを機に考え方を改めていただき重要資料として扱ってほしいと思います。
また、マニュアル作成は自分自身の思考整理に役立つツールであり、このノウハウは、新しいことを覚えたり、資格の勉強をするときの「まとめ」として応用することも可能なので、どんどんマニュアルを作っていきましょう。
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