過度な効率化は逆効果?イケア効果から仕事の本質を探る【心理学から読み解く】

みなさん、こんにちはケンケンです。

 

突然ですが、イケア効果をご存知ですか?

イケアってあの家具量販店のIKEAのことです。

 

行動経済学者のダンアリエリー教授が提唱した考え方で、「人は手間をかけて自分が作ったものに所有意識を感じ、

作品を過大評価する傾向がある」というものです。

IKEAで家具を購入されたことがある方は分かると思いますが、ほとんどの家具は自分で組み立てなくてはなりません。

説明書と格闘してやっとの思いで組み立てた家具にいつも以上に愛着が湧いてしまった経験はありませんか。

それがIKEA効果と呼ばれるものです。

 

人は労力をかけて手に入れたものを過大評価するものなのです。

 

他人から見ればとるに足らないものなのに・・・

ある実験では、学生Aにおりがみを折ってもらいました。少し難易度の高いツルかカエルを折ってもらい、

作った作品に値段をつけるならいくらにするか?と学生Aに問います。

 

すると、学生Aは25セントと値付けしました。

そこに通りかかった学生Bに学生Aが折ったおりがみに値段をつけてもらったところ、5セントと答えました。

 

このことから創作者である学生Aには自分で折ったおりがみに価値を見出しており、

傍観者である学生Bは特に関心を持てなかったことになります。

 

ちなみに、おりがみの専門家が折った作品を学生Bが評価した結果は27セントでした。

 

つまり、素人の学生Aが折ったものと専門家が折ったものの評価が近しいものとなったのです。

 

以上のことから、人間は自分の作品に対し過剰な評価をしてしまう傾向にあるということが証明されました。

 

労力が大きいほど価値が大きく感じるのか

労力を費やしたものに対して評価が過大になることは分かりましたが、労力と評価は常に

相関関係があるのでしょうか。

 

つまり、労力が大きければ大きいほど作っているものの評価が高くなるのでしょうか。

その疑問に対する実験も行われています。

先ほどのおりがみの実験に追加する形で、グループを大きく2つに分けた実験をしています。

ひとつは、おりがみの説明書きにあえて「わかりにくい」箇所を設け、容易に完成させないグループ。

もうひとつは、説明書きを「わかりやすく」し簡単に作成できたグループ。

ひとつめのグループはさらに2つに分かれます。

おりがみを完成したグループと未完成のグループです。

 

最終3つに分かれたグループが自分の作品に対してどのような評価をくだしたかの結果が以下の通りです。

 

最も評価が高かったグループはわかりにくい説明書きを使っておりがみを成功させたグループで、

次に高かったのはわかりやすい説明書きを使って成功したグループです。

 

そして、もっとも評価が低かったグループはわかりにくい説明書きで失敗したグループです。

このことからわかるとおり、人は労力をかけるだけ満足度が高くなるが、それは成功に結び付いたとき

のみに限定されるということです。

 

過度な仕事の効率化はかえって逆効果なのか

仕事の現場に当てはめて考えてみましょう。

働き方改革や業務効率化による残業時間の削減などが昨今の労働市場の目標となっていますね。

つまり、今より楽したい、楽になりたい、という方面に意識が向いているようです。

 

たしかに、楽になれば自由な時間、遊ぶ時間、ゆっくり休む時間ができ人生を有意義に過ごせるかもしれません。

 

しかし、IKEA効果が示しているように、人間はオリジナル(だと感じる)なものを作り出した時に

多くの満足感と幸福感を得ることが科学的に証明されています。

 

さらに、その作り出したものの労力が大きいほど効果が大きくなります。

単に残業時間を減らしたり、効率化をはかることばかりに気をとられず、多少労力がかかっても

効率が悪くてもチャレンジすることが大切なのかもしれませんね。

 

過剰な効率化は多くの幸福感を得られるチャンスを逃してしまう可能性もあるわけです。

しかし、実験結果が示すように、労力をかけても結果がついてこないと人間は満足度が

低くなることも証明されています。

 

達成できるギリギリのラインを見極めながら挑戦することで人生の満足度と幸福度を

高めることができそうです。

 

まぁそのラインを見極めるのが大変なのでしょうが、それを追い求めることは無駄ではないと考えます。

失敗を糧に成長することもありますが、やるからにはやっぱり成功したいですしね。

結局人間は感情的な生き物なのですね。

 

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