こんにちはケンケンです。
今回は、前回に引き続きエクセルを使いこなす一歩目として、請求書作成方法をご紹介していきます。
前回の記事をご覧になっていない方は下記をどうぞ。
みなさんにお聞きしますが、請求書に限らず、ある書式にデータを入力する必要があるときに、直接その書式にデータを入力することはありませんか。それでも資料としては完成しますが、応用が効かなくなる可能性があります。
また、一度使ったデータを再度使いたいな、もしくは、数字を分析したいなと思ったことはありませんか。
この記事を読むと、請求書作成方法とともに上記のようにデータの有効活用方法や再現性についての考え方の基本も身に付くようになっています。
僕自身、経理と会計事務所合わせて15年ほどの経験がありますので、ご納得いただけるかと思いますよ。
得意先一覧を作ろう
前回商品リストを作成しましたが、同じように次は得意先一覧を作成していきます。
これを作っておくと後々、管理が楽になり便利なことがたくさんあります。
■データを作ろう
早速ですが、僕が作った得意先一覧は以下の通りです。

今回は最低限必要なものだけ入力しています。列を追加していけば随時データを付け加えることはできるので、最初はこの程度で問題ないかと思います。
ちなみに所在地や電話番号はダミーデータで特定の場所等を指定しているわけではありませんのであらかじめご了承ください。問題がありそうでしたらご指摘よろしくお願いします。
■ROW関数を使ってみよう
ここでひとつ関数をご紹介します。
ROW関数です。この関数は指定したセルの行数を返してくれる関数です。
得意先リストのIDを振るためにROW関数を使っていきます。具体的に見ていきましょう。

まずいつものようにセルをクリックし「=ro」と入力します。そしてROW関数を選択して「Tab」「Enter」の順で進みます。すると該当セルの行番号が結果として返ってきます。
実はこのままではよくありません。この場合、2行目を選択しているのだから結果は「2」ですが、IDは「1」から振りたいですよね。
そこで、数式にひとつ工夫をします。

上記のように計算式の後ろに「-1」と入力すると結果は「1」となります。100行目に「1」を表記したい場合は、「-99」と入力すれば良いですね。
次は、この結果をコピーしていきます。

上記のようにすると簡単に数式をコピーできます。前回ご紹介した方法「Ctrl+Alt+V」から数式をコピーでもできますよ。
■必要なデータは後から付け足せる
先ほども触れましたが、足らないデータがあったら後から付け足すことができます。
例えば、FAX番号を追加してもよいですし、取引開始年月日を入れて管理するのも後で分析ツールとして使えそうです。
経理情報としては、入金サイト(請求から入金までの期間)なんかも考えられます。
時と場合によって必要な情報は変わってきますので、必要な情報が発生したら後から付け足していきましょう。
■データに隙間(空欄)があるのは基本NG
たまに隙間があるデータを見ることがあります。虫食い状態になって隙間があるデータは基本的によくありません。
理由としては、関数等を使う際にエラーが起こりやすいですし、データがないのか入力漏れなのか分からないからです。
ですので、情報がない箇所も「情報なし」が伝わるようになにか入力しておいてください。
具体的には「-」このような横棒でも良いです。参考までに実際MYSQLなどのデータベースでは、「null」とかが入っています。データベースやプログラミングに興味のあるかたは、ググってみてください。
ということで、エラーやミスの温床になってしまいますので、データに隙間がある状態はなるべく避けましょう。
請求データ入力用シートを作ろう
得意先一覧まで作れましたので、これからは請求データを入力していくシートを作って行きましょう。
請求書に直接データを入力していくこともできますが、これをすると後で色々使い回しが効かないので別シートで管理します。
具体的には以下のように作ります。

しつこいようですが必ずIDを振ってください。商品リストや得意先リスト以上に重要になってきます。データの順番(列の順番)は請求書の項目の順番に合わせています。
D・E・G列は商品リストを参考に埋めていきましょう。
ちなみに、H列の合計のみ計算式(数量×単価)を入れるようにしました。ここら辺は好みですが、僕は後で分析で使いたいので計算式を入れておきます。
なお、計算式を入れたときは直接入力しないように注意してください。
入力規則でリストを使ってみよう
入力規則は使っていますか。便利な機能なので紹介していきます。
今回は入力規則を使ってリストを作成します。作成するメリットは、
- 入力したい項目を探しやすい
- 入力の手間が省ける
- ユーザが意図しない、もしくは入力不可のものを入力した際にブロックできる
などがあります。覚えておいて損はなさそうですね。
逆にデメリットとして
- 項目が多くなった時に探し辛い
- 項目にないものを入力したい場合にブロックされてしまう(ブロックしない方法もある)
といったところでしょうか。デメリットもありますがそこは臨機応変に使っていけると良いと思います。
では具体的に入力規則でリストを作成していきましょう。今回は請求データの請求先列(B列)にリストを作ります。




どうですか?できましたか。
エクセルのバージョンによってはメニューバーや仕様が異なりますのでご注意ください。ちなみに僕のバージョンは2016です。
以上が入力規則のリスト作成の基本です。リスト作成がスムーズにいったのも、先に得意先一覧を作成しておいたからです。
このようにデータを別シートで管理していくと、それだけでメリットが生じます。管理面だけでなく運用面の効率も増します。
並べ替えとフィルターを使ってみよう
次は、並べ替えとフィルターについて紹介します。
まず並べ替え機能を使ってみましょう。
今回は、まず請求先で並べ替えた後に、さらに日付順になるように並べ替えます。以下をご覧ください。


優先順位1番を請求先にして2番目を日付とします。どうですか、できましたか?
続いてフィルターのやり方を簡単に説明します。やることはID(A列)を昇順で並べ替えます。
フィルターでなく先ほどの並べ替えでも良いのですが、練習のために。


簡単だ、と思われたかもしれませんが、あえてここで紹介したのには以下のような理由があります。
- 2段階で並べ替えをしてデータを整理する方法を知る
- IDを振っていたおかげでフィルターをかけることによって入力順に戻せる
上記のように並べ替えを使うことによって請求書作成に向けてデータを整理できるのと、請求書作成後に再度元の順番にデータを戻せるという技を使うことができます。
まとめ【次回予告】
今回は以下のことをご紹介しました。
- 得意先一覧の作り方
- ROW関数の使い方
- データは後から足せる&隙間はNG
- 請求データの作り方
- 入力規則のリスト機能の使い方
- 並べ替えとフィルターの使い方
いかがでしたか。
次回は、請求書を完成させてPDF形式で保存するまでを予定しています。
PDFで保存することに関しては、エクセルと直接関係はないのですが、エクセルで作成した資料をPDFで保存し、適切なフォルダ構造のもと管理することも実務上大変重要なものですので合わせてご紹介していきます。
それでは、次回もご期待ください。